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[翻訳記事] 破滅の刻・リミテッドレビュー (緑)

原文

この文章はChannel Fireballに掲載されたHour of Devastation Limited Set Review: Greenの和訳である。原文の掲載は2017年7月7日だった。著者はLuis Scott-Vargas(LSV)氏。

リミテッドレビューとあるが、実際にはドラフトに重きが置かれていると思われる。

以下訳文。点数表は省略。の記事を見てほしい。


《待ち伏せ/Ambuscade》 (コモン)

3.5点

緑には格闘を行うカードとイジメを行うカードが両方あるようだ。 イジメの場合、相手は殴り返してこない。 《待ち伏せ/Ambuscade》は後者のカテゴリーに属していて、つまり極めて強力だ。 もっともありふれた使用法は、対戦相手のクリーチャーを1体除去しながら相手へのダメージを1点増加させる、というものだろう。 しかし時には、自分の3/3クリーチャーと相手の4/4クリーチャーを交換し、さらに相手の4/4をもう1体殺すことだってできる。大物食いというやつだ。

《砂の下から/Beneath the Sands》 (コモン)

1.0点

たしかに、土地が既に沢山ある状況ならサイクリングを選べる。 しかし唱えるにせよサイクリングするにせよこのカードは非効率で、あまりプレイしたいものではない。 3色ランプデッキをするならこれを支持するが、そうでないなら避けるべきだ。

《苦弓の名射手/Bitterbow Sharpshooters》 (コモン)

3.0点

攻めも受けも演じられるカードというのが私は好きだ。 そして、《苦弓の名射手/Bitterbow Sharpshooters》は攻撃でも防御でも活躍できる。 ガッチリした肉体に2つの良いキーワード能力、これは成功の秘訣だ。仮に5マナのクリーチャーをそれほど必要としていない場合でも、だ。

《活力の信奉者/Devotee of Strength》 (アンコモン)

3.5点

対戦相手からすれば、こいつのせいで戦闘はめちゃくちゃになる。 3ターン目にプレイしても9ターン目にプレイしても強力だ。 3マナとしては十分強力で、緑であればどのデッキでも、どれだけアグロ寄りにするかに関係なく使うだろう。

《砂丘の易者/Dune Diviner》 (アンコモン)

1.5点

もし砂漠が2枚あれば、こいつは平凡なブロッカーであるとともに毎ターン1点か2点のライフをもたらしてくれる。(1度能力を起動するのに実質2マナかかることに注意。) 仮に能力が起動できたとしても、それほど魅力的ではない。マナ・カーブの穴埋めに使う程度だ。

《残忍な野猫/Feral Prowler》 (コモン)

2.5点

ビートダウンで最高の1枚ではない。しかし、ブロックの役には立つし、地上で殴りかかってくる相手なら誰でもうんざりさせることができる。 コレを切り捨てる場合がそれほど多いと思わないが、緑のデッキはそうするかもしれない。

《エリマキサンドワラ/Frilled Sandwalla》 (コモン)

2.0点

「このカードは余分な飾りのない (no-frills) アグロデッキで最高のカードだ」と言うつもりだったが、それだと混乱を招くかもしれない。 どちらにせよ、ビートダウンデッキで使う場合は堅実な脅威だが、ミッドレンジやコントロールで使う場合は弱い。 マナを残してブロッカーに回すということはすべきでなく、もっと攻撃させパンプアップするか、さらなる脅威を繰り出すべきだ。 パワー・タフネスは十分高いが、何分マナを喰うので、たくさん使いたいカードではない。

《活力の贈り物/Gift of Strength》 (コモン)

1.5点

これは申し分のないコンバットトリックで、いつの日か飛行クリーチャーを待ち伏せすることができるだろう。 2マナで+3/+3の修整は興奮するには物足りないが、コンバット・トリックが必要なら十分良いカードだ。

《侵略ナーガ/Harrier Naga》 (コモン)

3.0点

このカードには何も間違ったことは書かれてないし、もちろん私はプレイするだろう。 アグロにも、ミッドレンジにも、コントロールにも合う。 そしてブロックでも攻撃でもちゃんと仕事をする。 興奮するようなところはないが、良い仕事に興奮は必要ないのだ。

《希望守り/Hope Tender》 (アンコモン)

3.0点

2マナで、1ターンおきにマナ加速ができるのは素晴らしい。さらに、ダブルシンボルを支払いたいのにその色の土地が1枚しかない、なんて状態ではマナ補正カードとしてはたらく。 ランプデッキをドラフトするならなるべく沢山ピックするだろう。そうでなくても緑なら手堅い戦力になる。

《約束の刻/Hour of Promise》 (レア)

1.0点 または 3.0点

もしデッキに砂漠がないなら、これはひどく高価なランプ呪文だ。 ゾンビを生成できるようなデッキで使うなら、極めて強力なカードになるし、このカードのために何か準備をしても良いだろう。 このカードを強力に運用するなら、5枚以上の砂漠と重いカードがほしいところだ。

《人生は続く/Life Goes On》 (コモン)

0.5点

人生は、私の知る限り続かない。得られるライフが8点であれ、私の気を惹くには十分ではない。相手が純粋なバーンででもない限り、純粋なライフ回復カードはそれほど役に立たないからだ。 このフォーマットがある間、1度くらいはサイドインするかもしれないが……そこまで楽観的にはなれない。

《威厳ある万卒隊長/Majestic Myriarch》 (神話レア)

4.0点

でかい! そして何か魅力的な能力が! この威厳ある姿には5マナの価値が十分にある。 クリーチャーがたくさん入ったデッキなら快適に使えるだろう。 こいつのためにキーワード能力を持ってるだけの弱いクリーチャーを使いたくはない。しかし、こいつをピックした後なら、キーワード能力を意識してピックを進めたい。

《ニッサの敗北/Nissa’s Defeat》 (アンコモン)

0.5点

敗北サイクルで唯一、ピックしたくないカードだ。 土地やエンチャントを壊す効果には限界がある。 まあ、実際にニッサを除去しようと思ったら使うこともあるかもしれないが。

《オアシスの祭儀師/Oasis Ritualist》 (コモン)

2.0点

破滅の刻環境でも緑のランプが成立することを期待している。 《オアシスの祭儀師/Oasis Ritualist》は7マナまでの道を提供してくれて、巨大なモンスターや何か魅力的なカードをプレイする手助けをしてくれる。 ボディも信頼できるサイズで、マナが必要ないときでも役立つだろう。 低マナ域を使うビートダウンには入らないが、殆どの緑のデッキで使いたい。

《超克/Overcome》 (アンコモン)

4.0点

コレを使った戦略はシンプルだ。盤面をクリーチャーで踏み荒らし、こいつを唱えて、圧倒する暴走を相手に叩き込めばよい。 3体以上のクリーチャーがいればこいつは膨大なダメージを与えることができる。もしうまくいけば、殆どのゲームを終わらせることができるだろう。 トランプルは偉大だし、小さな脅威あっても無視できないサイズにしてくれる。

《誇り高き君主/Pride Sovereign》 (レア)

4.5点

2ターンに1度、1/1の絆魂つきトークンを生み出してくれる。そしてそのたびにコイツはデカくなる。 アンタップ効果と組み合わせることができるが、そんなことしなくても強力だ。 このカードは軽量で、このセットで最も強力なカードの1つだ。 ターンが返ってくれば、1ターン置きに高速なアドバンテージを生み出し続ける。

《採石場の甲虫/Quarry Beetle》 (アンコモン)

2.0点

サイクリングしたり、生け贄に捧げたりする砂漠と自然にコンボになる。 パワー・タフネスも十分だ。たびたびデッキに入れることになるだろう。

《猛り狂うカバ/Rampaging Hippo》 (コモン)

2.0点

アモンケットだけの頃よりも環境が遅いなら、《大いなるサンドワーム/Greater Sandwurm》の役割をコイツが果たすことができるだろう。 サイクリング付きのフィニッシャーはランプデッキにピッタリで、《猛り狂うカバ/Rampaging Hippo》はその役割を見事に果たす。

《ラムナプの採掘者/Ramunap Excavator》 (レア)

2.5点

イカした砂漠を何枚かピックできれば、こいつは大きな価値をもたらしてくれる。 能力にコストは全く不要なので、2枚でもサイクリング土地があればデッキに入れられるし、効果も期待できる。 《絡みつく砂丘/Grasping Dunes》のようなカードと組み合わせると超強力で、早い段階でピック出来ればコレを中心に構築できるんじゃないか。

《ラムナプのハイドラ/Ramunap Hydra》 (レア)

4.0点

砂漠が1枚もないなら、魅力も半減だ。しかし4~5枚の砂漠があれば、コイツは野獣と化す。 たとえ究極完全態になるまで数ターンかかるとしても、5/5警戒到達トランプルは凶悪だ。

《立て直しのケンラ/Resilient Khenra》 (レア)

3.5点

ダメージを押し通せる能力を持った熊は非常に魅力的だ。それが後に4/4になって戻ってくるとなれば更に素晴らしい。 序盤でも後半でも良い。脅威を立て直す力は、どんなスタイルのデッキにもマッチするだろう。

《ロナス最後の抵抗/Rhonas’s Last Stand》 (レア)

4.0点

2ターン目に唱えた場合は全く冗談みたいな強さ。 後半で使っても、デメリットは痛いが、手堅いプレイになる。 極めて軽いコストで極めて高いステータス。緑に行く理由になるカードだ。

《ロナスの重鎮/Rhonas’s Stalwart》 (コモン)

3.0点

《突風歩き/Gust Walker》とまではいかないが、《ロナスの重鎮/Rhonas’s Stalwart》は序盤から相当のダメージが見込めるし、後半ではちょっとした回避能力を持つことになる。 アタッカーとして、ビートダウンやミッドレンジで活躍できるだろう。

《横這ナーガ/Sidewinder Naga》 (コモン)

1.5点 または 2.0点

砂漠なしのデッキにおいて、このカードは穴埋めカード以上の存在にならない。 砂漠があるデッキではかなりのダメージを稼げるだろう。しかし、その場合でも死にやすいのは問題だ。 このカードを4/2としてプレイし、除去とコンバットトリックでバックアップする、という夢みたいなこともできなくはない。 緑のビートダウンへ行く目印になるかもしれないな。

《選別ワーム/Sifter Wurm》 (アンコモン)

3.0点

《選別ワーム/Sifter Wurm》はコレを中心にコントロールを組めるだけのカードだ。 こいつ自身巨大な脅威であり、かつあなたを戦線に復帰させるだけの大量のライフも提供してくれる。(ついでの占術もできる。) 運用が成功し、相応の結果を出してくれると期待している。

《強靭な狩り手/Tenacious Hunter》 (アンコモン)

3.5点

4マナ4/4というだけで何も文句はない。 さらに誰かが縮んでいると、いくつか強力な能力を持つ。 -1/-1カウンターがどこに置いてあるかは関係ないことを憶えておこう。なんなら自軍の誰かが縮んでいてもいいのだ。

《生類解放/Uncage the Menagerie》 (神話レア)

2.0点

奇妙なカードだが、X=3で唱えるのがいいんじゃないかと思う。 5マナで3マナクリーチャーを3体探してきて、次のターン2体唱える……うん、十分良さそうだ。 X=2で唱えた場合は十分な効果が出ないだろう。 X=4で唱えたとして、デッキから異なる名前の4マナクリーチャーを4枚持ってこられるかは怪しいところだ。(もしできるのなら悪くないが。) ほとんどのデッキはこのカードを上手く使えないだろう。しかし、もしハマるデッキを作れれば強力だ。

緑のコモンベスト3

  1. 《待ち伏せ/Ambuscade》
  2. 《ロナスの重鎮/Rhonas’s Stalwart》
  3. 《侵略ナーガ/Harrier Naga》

もし緑のランプ戦術が現実的なら、《ロナスの重鎮/Rhonas’s Stalwart》はベスト3から外れ、代わりに《苦弓の名射手/Bitterbow Sharpshooters》か《オアシスの祭儀師/Oasis Ritualist》が入るだろう。 でもまあ、まずはこんな感じで始める。見直しするのもやぶさかではない。 緑には強力な除去と、低マナ域・高マナ域に強力なクリーチャーがいる。何れにせよ悪くない。