sukuname

  1. MTG
  2. 翻訳記事
  3. Channel Fireball

[翻訳記事] 破滅の刻・リミテッドレビュー (黒)

原文

この文章はChannel Fireballに掲載されたHour of Devastation Limited Set Review: Blackの和訳である。原文の掲載は2017年7月5日だった。著者はLuis Scott-Vargas(LSV)氏。

リミテッドレビューとあるが、実際にはドラフトに重きが置かれていると思われる。

シールドで遊んでみた感じ、私の《スカラベの責め苦/Torment of Scarabs》に対する評価はもっとずっと高いんだけど、ドラフトだと違うのかも。速い環境には不向きだろうし。

以下訳文。点数表は省略。の記事を見てほしい。


《呪われた大群/Accursed Horde》 (アンコモン)

3.5点

4マナ3/3というだけでは特筆すべきものがない。しかし、このカードについては、書いておかなければならない事がある。 この素晴らしい能力についてだ。 《呪われた大群/Accursed Horde》それ自体を強固なアタッカーにすることもできるし、ゾンビに寄せたデッキではただ強力だ。 この能力の恩恵を受けるために、実際に起動する必要はない。この能力が起動できるというだけで、恐れることなく攻撃することができるのだ。 私は単体でもこのカードを使うだろうし、このカードを持っている場合はゾンビに寄せたドラフトをするだろう。

《アムムトの永遠衆/Ammit Eternal》 (レア)

3.5点

奇妙なレアはいつだって私の悩みの種だが、このカードはかなりいい線行ってるんじゃないかと思う。 このカードは中盤から終盤に斃れてしまうかもしれない。しかし、3ターン目においては極めて強力だ。 対戦相手は1枚呪文を使うかもしれないが、あなたは4/4で攻撃できる。相手にチャンプブロックさせるか、こいつが5/5に戻るか、結果はどっちかだ。 対戦相手に唱えられる呪文がほとんどなくなるような超終盤戦においても、このカードは強い。 基本的に、このカードが本当に弱いのは対戦相手に沢山のマナがあり沢山の呪文が唱えられるようなときだけだ。 その欠点はたいてい、このカードが活躍する時の強さに比べれば些細なものである。 加えて、もし相手がチャンプブロックを選択するなら、加虐で毎ターン3点削ることができる。これも極めて魅力的だ。

《黙示録の悪魔/Apocalypse Demon》 (レア)

2.0点

欠点つきの黒のレアには、それほど魅力を感じない。 (ネタバレ: 欠点付きの黒のレアはたくさんあります。) 通常のゲームにおいて、こいつは4/4から7/7になるだろう。攻撃のたびにクリーチャーを食べなければいけないという欠点のせいで、とても強いとはいえない。 確かにいくつかのデッキにおいては素晴らしいカードになるかもしれないが、6マナのカードでこれほど効果にばらつきがあるというのは気に食わない。 時にはこいつは小さいままだろう。 時には生け贄に捧げるクリーチャーが足りないだろう。 そして時には、他のクリーチャーを食べた後で、こいつ自身がバウンスされたり殺されたりするのだ。

《禍鞭の懲罰者/Banewhip Punisher》 (アンコモン)

3.5点

《禍鞭の懲罰者/Banewhip Punisher》というカードは超強力であり、「懲罰者」というひどい名前も一度は本物になったことになる。 こいつはタフネス1のクリーチャーを無料で食べてしまうことができる。あるいはチャンプブロッカーにするのをやめて、4マナの除去として使うこともできる。 他の-1/-1カウンターを使うカードともうまくはたらき、後半では除去できる対象が広がるだろう。

《バントゥ最後の算段/Bontu’s Last Reckoning》 (レア)

3.5点

6マナの全体除去については評価を下げたが、それが3マナなら話が変わる。 土地がアンタップしなくなるのは深刻な欠点だ。リセット後、クリーチャーを相手よりも常に先に出せるわけではないだろう。 しかし、このカードで1対2交換や1対3交換を取るのは簡単だ。 加えて、このカードと3マナのクリーチャーをただ唱えるだけで、ゲームに勝てることだってあるんじゃないか。

《屍肉の金切り声上げ/Carrion Screecher》 (コモン)

1.5点

こいつはすぐ死ぬかもしれないが、それでもパワーが3の飛行クリーチャーだ。 デッキに入るのは2回に1回くらいで、マナ・カーブやどれだけアグロなデッキを組んでいるかによる。 これこそが穴埋めカードの定義そのものだ。

《大災厄/Doomfall》 (アンコモン)

3.0点

これまでのレビューを読んでいればわかるだろうが、私は柔軟性というものが大好きだ。 ほどほどの効果2つが1枚になれば、それはとても良いカードになる。 伝統的に、クリーチャーを生贄に捧げさせる効果は、リミテッドではあまりいいものではなかった。なぜなら死ぬのはいつも最弱のクリーチャーだからだ。 3マナで手札から最高のカードを抜けるというのもそれほど素晴らしくはない。 しかし、これらを組み合わせたことで、ほとんどすべてのゲームで強力なカードが誕生した。 大抵、2つの効果のうちどちらかはプレイする価値があるだろう。

《夢盗人/Dreamstealer》 (レア)

3.5点

1/2威迫で手札を捨てさせられるのは、それだけでもとても魅力的だ。 強化呪文や除去と併用すると本当にうまくはたらく。 これに永遠能力がついたことで、ゲームを簡単に盗めるカードになってしまった。

《忌まわしい生き残り/Grisly Survivor》 (コモン)

1.5点

こいつは《ヘクマの歩哨/Hekma Sentinels》よりずっと酷い。 私はこれらのカードをそれなりの枚数ピックしたが、死守したいようなカードかというと違う。 わずかに格上のカードと相打ちを取るのが精一杯。タフネスに追加がないので、その名前に反して生き残ることは難しいだろう。 いいカードではある。ただ、もっといいカードがたくさんあるだろう。

《栄光の刻/Hour of Glory》 (レア)

3.5点

神関連の記述を別にすれば、このカードはインスタントの《忘却の一撃/Oblivion Strike》である。 (または4マナの《最後の報賞/Final Reward》である。呼びたい方で呼ぼう。) 2番目に書いてあるテキストがまるで役に立たなくても、このカードは十分強力だ。

《ケンラの永遠衆/Khenra Eternal》 (コモン)

2.0点

いいね。使う。ちょっと小さいけど、まともなビート要員だ。

《致死の一刺し/Lethal Sting》 (コモン)

3.0点

この追加のテキストはとても高額だ。 それでも、ほぼすべてのデッキ(クリーチャーが十分に入るデッキ。約14枚以上。)で私はこれを使うだろう。 餌が用意できるかは確認しておいてほしい。ただ、餌にするクリーチャーが小型でも大型でも、このカードは巧妙だ。

《リリアナの敗北/Liliana’s Defeat》 (アンコモン)

3.0点

完全にサイドボード向けのカードだが、ピックの優先順は高い。 サイドインした時は強力なので、一部の超強力なカードを除けば、他のカードより優先してしまってよい。

《よろけ腐り獣/Lurching Rotbeast》 (コモン)

2.5点

名前だけで低い評価をつけていたが、サイクリングが(黒)のみで可能なら、まあ渋々プレイしようかと。 除去でバックアップできれば4/2は致命傷を与えられるだろう。ダメそうならサイクリング。 たぶん大丈夫じゃないかな。

《無法の斬骨鬼/Marauding Boneslasher》 (コモン)

3.0点

話は変わるが、こういう迫力ある名前のカードには高評価をつけたくなる。 で、実際に高評価なカードだ。 アグロ・デッキやゾンビ・デッキにおいては強力な1枚。 問題になるのは、ゾンビは足りてなくてコントロールをプレイしてるときくらいだろう。

《無慈悲な永遠衆/Merciless Eternal》 (アンコモン)

3.0点

脅威になる起動型能力は確かにある。 でも永遠衆なのに永遠能力を持ってないってのは、フレーバー的に不満だ。 アタッカーとして強力。 マナを残していれば、ブロッカーにもなれる。 ゲームのほぼすべての場面で活躍できるカードだろう。

《呻きの壁/Moaning Wall》 (コモン)

1.0点

変な名前なのはおいといて、このカードには特に興味がない。 ほぼすべての場面で0/5の壁は不要だろうから、サイクリングするための2マナが実際のコストというわけだ。

《穢れた血、ラザケシュ/Razaketh, the Foulblooded》 (神話レア)

1.0点

8マナはとても重い。で、《サンドワームの収斂/Sandwurm Convergence》なんかと違って、盤面を固定できるわけでもない。(私の8マナの基準は、《サンドワームの収斂/Sandwurm Convergence》だ。) うん。こいつは巨大で強力な悪魔だが、8マナで絆魂もなにも持ってないカードだ。

《ラザケシュの儀式/Razaketh’s Rite》 (アンコモン)

2.5点

私はこのデザインについて掘り下げている。 そして、毎回デッキの一番上のカードを確認するようにしていて、サイクリングしたほうが普通に唱えるより良かったのかどうか確認している。 このカードは重い。しかしサイクリングが1マナでできるので、ほぼすべての場合でサイクリングするのが妥当だ。余裕があるときだけ唱えればよいのだ。(こうなればこのカードは強力だ。)

《廃墟ネズミ/Ruin Rat》 (コモン)

2.5点

防御的なデッキならいつでも使うし、アグロデッキでもまあまあだ。 世界最高のカードでないが、及第点はつけられる。 加えて、ときどき墓地の永遠持ちカードを狙い撃ちにすることもできるだろう。

《魂のたかり屋/Scrounger of Souls》 (コモン)

1.5点

もしプレイアブルなカードを「たかって」いるなら、あまり良くない状態だ。 強化呪文や格闘効果とうまくはたらく。5マナのクリーチャーが他にないなら、そこでもまずまずだ。

《霰炎の責め苦/Torment of Hailfire》 (レア)

1.0点

このカードがいかにぶっ壊れなのか熱く語る無数のコメントが付くだろう。それでも、私自身《霰炎の責め苦/Torment of Hailfire》を負う覚悟はできた。 最も一般的な状況では6マナや7マナでこれを唱えることになるだろう。この場合、対戦相手は6~12点のライフを失い、手札を1枚か2枚捨てるわけだ。こういう重いカードの効果にしては期待外れだ。 このカードを本当に致命的なものにするには、圧倒的なプレッシャーを相手にかけつづける必要がある。 そうしたゲームのいくつかでは、相手は手札に余分なカードを持ってるかもしれない。 懲罰者カードはいつだって悪かった。例外はなかった。このカードもその枠を壊すものではない。 言いたいことは以上だ。何が来るか、覚悟はできてる。

《スカラベの責め苦/Torment of Scarabs》 (アンコモン)

0.5点

《霰炎の責め苦/Torment of Hailfire》のレビューを見て欲しい。 もっと遅くてパワーに欠けるやつを想像してほしい。 それ。それだ。

《毒の責め苦/Torment of Venom》 (コモン)

3.0点

-1/-1カウンターのところがいい。残りはオマケ。 このカードは、あなたが気にするようなクリーチャーのほとんどを殺すことができ、残りも弱体化できる。 落ち目の対戦相手に蹴りを入れながらだ。

《不快の顕現/Vile Manifestation》 (アンコモン)

2.0点

《奇怪なドレイク/Enigma Drake》のように、飛行を持ってればよかったのだが。 しかし、2マナで3/4やそれ以上に育ち、自身もサイクリングを持っているので悪くない。 もしサイクリング・デッキに脚がついていたら、こんな感じになるだろう。

《弱点消し/Without Weakness》 (コモン)

1.5点

コンバット・トリックの中では下の方。でも役立つサイクリングがついている。 アモンケット環境での感触が非常に良かったので、最近はより多くのコンバット・トリックを使うことにしている。 私の想像以上に、このカードの居場所はあるかもしれない。

《不憫なラクダ/Wretched Camel》 (コモン)

2.5点

後半に生きるメリットがついた2/1はとっても魅力的。 ゾンビ・ラクダを軸にしてデッキを作ってみるのはどうだろうか。 砂漠があるコントロールデッキでブロッカーとして使うのも好きだが、ビートダウンには明らかに適したカードだ。

黒のコモンベスト3

  1. 《毒の責め苦/Torment of Venom》
  2. 《無法の斬骨鬼/Marauding Boneslasher》
  3. 《致死の一刺し/Lethal Sting》

黒はいつもどおり、除去と平凡なクリーチャーを持っている。 そして、私は黒がどれだけアグレッシブな色なのか確信が持てずにいる。 《無法の斬骨鬼/Marauding Boneslasher》は良いアタッカーであり、ベスト3の残り2枚はなんだかんだでクリーチャーを殺すカードだ。