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[翻訳記事] 破滅の刻・リミテッドレビュー (青)

原文

この文章はChannel Fireballに掲載されたHour of Devastation Limited Set Review: Blueの和訳である。原文の掲載は2017年7月4日だった。著者はLuis Scott-Vargas(LSV)氏。

リミテッドレビューとあるが、実際にはドラフトに重きが置かれていると思われる。

以下訳文。点数表は省略。の記事を見てほしい。


《空からの導き手/Aerial Guide》 (コモン)

3.0点

このようなコモンが一般的になるなら、青はアグロ路線に傾きつつあるということのかもしれない。 《空からの導き手/Aerial Guide》は自身が極めてビートダウン向きであり、友軍を載せて飛ぶこともできる。 3マナ2/2飛行というだけでまずまずの強さだが、他のクリーチャーに飛行を与えるなら3ターン目のプレイとして凶悪だ。 私が言えることは、今日憶える単語はブロッキングではない、ということだ。

《エイヴンの葦原忍び/Aven Reedstalker》 (コモン)

2.0点

2/2を待ち伏せできるのは悪くないが、コストに対するステータスがあまり嬉しくない。 もし対戦相手があなたの優位に立っていて、このカードを警戒している場合、あなたはこの中堅サイズのフライヤーに高すぎるコストを支払うことになる。 そうはなりたくない。

《機知の勇者/Champion of Wits》 (レア)

3.5点

2枚のルーティングを行うことができ、さらに後半4枚ドローできるのは素晴らしい。 私は可能ならすぐにでもこれをプレイするだろう。 とくにこのセットには墓地で悪さをするカードが多い。私はいつだってルーティングをすすめる。

《相殺の風/Countervailing Winds》 (コモン)

1.5点

不確定カウンターにサイクリングが付いている。 こういうカードに私は興奮しないが、しかしプレイアブルなカードなのは確かだ。 このカードは最終的にほぼ確定カウンターになるし、そこまで待ちきれないならサイクリングしてしまえば良い。

《狡猾な生き残り/Cunning Survivor》 (コモン)

2.5点

後半戦で役立つ2マナクリーチャーはいつだっていい選択だ。 これは小さな《ヘクマの歩哨/Hekma Sentinels》に回避能力がついたものに見える。 私はこのカードが好きだし、青いデッキの殆どにためらいなく投入するだろう。

《厳しい事実の永遠衆/Eternal of Harsh Truths》 (アンコモン)

2.5点

攻撃が通れば得られる利益は大きいし、ブロックされれば少し相手を咎めることになる。 ぜひ強化呪文や回避能力をつけるカード(《空からの導き手/Aerial Guide》はどうだ?)と組み合わせて使いたいが、単体でも青のビートダウンデッキであれば堅実な1枚だ。 もしそんなデッキが存在するなら、だが。

《正気減らし/Fraying Sanity》 (レア)

0.0点

ライブラリー破壊に限りなく特化したデッキでもないかぎり、投入するのは正気じゃない。

《永遠の刻/Hour of Eternity》 (レア)

2.0点

フィニッシャーとしては悪くないかもしれない。しかし、報酬を得る前に墓地に2枚のクリーチャー・カードを置いておく必要があり、7マナかかるというのは気がかりだ。 5マナで唱えたときもまずまずだが、興奮するほどではない。 効果を実感するには7~9マナかかるだろう。

《空想の脅威/Imaginary Threats》 (アンコモン)

3.0点

《空想の脅威/Imaginary Threats》はガチ。 このカードが強力かどうかは状況によるので、サイクリングがついていることは重要だ。 もし負けそうになっているときは他のカードと取り替えることができる。 もし機能する状況になれば、このカードは素晴らしい。 このカードは2ターンに渡って相手のクリーチャーによるブロックを防ぐことができるし、もし良いブロッカーが用意できてるなら待ち伏せにもなる。 ダメージ・レースが展開されているときでも有効だし、盤面が膠着している状態でプレイするのも魅力的だ。

《ジェイスの敗北/Jace’s Defeat》 (アンコモン)

2.0点

青相手ならいつでもサイドインするし、その結果にも満足するだろう。 2マナのカウンターは本当に強力だ。 ミッドレンジのプレイアブルなカードのほとんどよりも、優先して使うと思う。

《ケフネト最後の言葉/Kefnet’s Last Word》 (レア)

4.5点

土地がアンタップしなくなるというコストはかなり重く、このカードを《精神の制御/Mind Control》よりも一段劣るものにしてしまっている。 とは言うものの、それでも《ケフネト最後の言葉/Kefnet’s Last Word》は不条理なほど強力だ。 対戦相手の最強のクリーチャー(エンチャントやアーティファクトのときもあるかもしれない)を奪うというのは、リミテッドにおける勝利に直結する。

《敏捷な妨害術師/Nimble Obstructionist》 (レア)

3.5点

3マナで3/1瞬速飛行として使う。サイクリングして何かカウンターするというのは単なるオマケだ。 大抵の場合でビート要員として使うべきカードだが、カウンターしたくなるような能力を既に見ている場合、手札に残しておくのも全然アリだ。

《不吉なスフィンクス/Ominous Sphinx》 (アンコモン)

4.0点

このカードとアンタップ状態の土地が揃ってる状態は、対戦相手にとって不吉だ。 たとえ《不吉なスフィンクス/Ominous Sphinx》が絡まない場合でも、対戦相手は確信を持って戦闘できなくなるだろう。 そしてその間、あなたは4/4飛行を使って彼を打ちのめす。 サイクリング持ちカードがなくても強力なカードだし、サイクリング持ちカードを何枚かピックするのはさほど難しくないだろう。

《実績ある戦闘員/Proven Combatant》 (コモン)

2.5点

こういう小さな戦闘要員、嫌いじゃない。 序盤はチャンプ・ブロックで2/1と交換でき、後半では4/4として再登場する。 1マナや6マナとしてはなかなか良い。 飛行持ちが相手だと活躍の機会が限られるので、サイドアウトするようなマッチアップもあるだろう。 しかし地上戦なら誰が相手でも、彼女はその実力を証明してくれるに違いない。

《謎変化/Riddleform》 (アンコモン)

1.0点 または 3.0点

呪文がたくさん入ったデッキなら、このカードは堅実なフィニッシャーになるし、突然飛び出してブロックすることもできる。 あなたがマナを残しておけば、相手は攻撃してこないかもしれない。その時はターン終了時に占術すればよい。 もちろん、呪文がろくに入ってないデッキではただの死に札だ。 これを解決する価値のある謎にするには、10枚以上の呪文を確保することを忘れないように。

《最後の明日の予見者/Seer of the Last Tomorrow》 (コモン)

1.5点

誰かライブラリー破壊デッキを製作してるだろう。《最後の明日の予見者/Seer of the Last Tomorrow》は3マナでいい感じに防御的なサイズを持ってるし、もし盤面が膠着すれば勝ち手段にもなる。 しかしカードを捨てるというコストは高価だ。 もし相手のライブラリーを12枚削った後に、このカードが破壊されたりなんかしたら悲惨だ。 あなたは何の成果もなく、4枚のカードをただ捨てたことになる。

《しなやかな打撃者/Sinuous Striker》 (アンコモン)

3.0点

こいつの素晴らしさにはすっかり打撃を受けてしまった。 こいつは最初タフネス3のクリーチャーと交換でき、後に強力なフィニッシャーとして戦場に舞い戻る。 戦場に戻すにはカードを捨てる必要があり、自在に復活させられるわけではないが、しかしそれでも強力なカードだ。

《呪文織りの永遠衆/Spellweaver Eternal》 (コモン)

1.5点

もし青のアグロデッキが存在するなら、こいつの等級を上げることになるだろう。 私はやや懐疑的だが、その発想自体は受け入れる準備がある。 コントロールデッキで使う場合、こいつはブロックをうまくこなせないだろう。 ミッドレンジデッキにボンヤリした2/1のアタッカーを入れるというのも、大抵うまくいかない。 《ター一門の散兵/Tah-Crop Skirmisher》ならブロックに回ってもまだ価値があったが、《呪文織りの永遠衆/Spellweaver Eternal》は攻撃に極めて重点を置いてしまっている。

《巧みな軍略/Strategic Planning》 (コモン)

1.5点

ポータル三国志における《巧みな軍略/Strategic Planning》の価値(このカードはあなたがおそらく考えるよりもずっと価値があった)は脇においておこう。 このカードはリミテッドにおいて中程度の穴埋め要員にすぎない。 デッキに《巧みな軍略/Strategic Planning》を入れて散々な結果になるのは稀だが、素晴らしい結果になることもない。 もしあなたのデッキにプレイアブルなカードが不足している場合、何かできるようになるのがこのカードによって少し早まる。 ちょっとしたカードの選択ができるし、永遠のような墓地ではたらく効果とのコンボにもなる。 で、簡単にいうと、いいカードではあるが優先すべきものではない。

《縞カワヘビ/Striped Riverwinder》 (コモン)

2.5点

アモンケットは高速な環境だったが、私は未だに1マナでサイクリングできるカードのファンだ。 このカードは、序盤ではサイクリングでき、後半では脅威になれる。いずれも有用だ。

《至高の意志/Supreme Will》 (アンコモン)

3.0点

こういうモード付きカード、本当に好きだ。 《マナ漏出/Mana Leak》としての面がダメなときでも、《衝動/Impulse》として使える。 これら2枚を組み合わせることで、このカードはもっといいカードを探してくるためにも使うことができ、カウンター呪文の欠点が補われている。 毎回使いたいカードだ。

《大群の諜報/Swarm Intelligence》 (レア)

0.0点

構築の中心になる魅力的なカードは大好きだ。 しかし戦場に出すために7マナかかり、そこから土地をアンタップして更に呪文をプレイしないといけないというのはツラすぎる。 私はこのカードを使ってみるつもりだ。 しかし、私にこのカードを使わせるのは、私の知性(Intelligence)ではない。それは確かだ。

《悲劇的教訓/Tragic Lesson》 (コモン)

1.0点

《予言/Divination》をインスタントにすることは、リミテッドにおいては、それほどヒキにならない。 土地を戻したり、カードを捨てなきゃいけなかったりするのは悲劇的だ。 カードをドローする呪文は大好きだが、このカードは受け入れがたい。

《羊頭スフィンクスの君主、アネシ/Unesh, Criosphinx Sovereign》 (神話レア)

4.0点

超がつくほど幸運でもないかぎり、コスト削減能力が機能することはないだろう。 しかし6マナ4/4飛行 + ちょっと小さな《嘘か真か/Fact or Fiction》というだけでとても魅力的だ。 巨大な脅威でありながら何枚かのカードをもたらしてくれる。 マナ・カーブの頂点として私が探していたものはまさしくコレである。

《抑え難い渇き/Unquenchable Thirst》 (コモン)

1.5点

相手のクリーチャーを渇きに追いやるのは、とても良い計画に思える。 そして私は砂漠に関するテキストが(フレーバーの面でも機能の面でも)大好きだ。 ただ、このブロックにはアンタップ効果が多いので、ちょっと弱くなってしまっている。 督励のとばっちりを食らったわけだ。スカッと爽やか、とばっちり。

《送還/Unsummon》 (コモン)

3.0点

《叱責の風/Winds of Rebuke》が強力だったことを踏まえ、《送還/Unsummon》にまずは高い点数をつけておこう。 自分のクリーチャーに使って良し。相手のクリーチャーに使って良し。どんなマッチアップでも便利に使える。 1マナ立てておくことはそれほど難しくなく、コンバットトリックと除去の両方を潰すことができる。

《選定の侍臣/Vizier of the Anointed》 (アンコモン)

3.0点

不朽や永遠を完璧に拒んででもいないかぎり、こいつは強力な1枚だ。 屈強な肉体を持ち、たとえ死んだとしても1対2交換が取れる。 そしてもし戦場に残れば、何枚ものカードを引くことができるようになる。 1枚のカードに素晴らしい手順書と多くの価値が詰まっている。

青のコモンベスト3

  1. 《空からの導き手/Aerial Guide》
  2. 《送還/Unsummon》
  3. 《実績ある戦闘員/Proven Combatant》

《狡猾な生き残り/Cunning Survivor》と《縞カワヘビ/Striped Riverwinder》は両方とも《実績ある戦闘員/Proven Combatant》より上に見える。 しかし、安価に盤面に干渉でき、1対2交換の可能性があるほうが、私は好きだ。 《空からの導き手/Aerial Guide》と《送還/Unsummon》が押し込みに長けているように、今回の青には堅実で攻撃的なコモンが揃っている。 他の多くのセットと異なり、ビートダウンをサポートするカードはかなり多い。青の立ち位置がどこになるかは興味深いところだ。