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[翻訳記事] 破滅の刻・リミテッドレビュー (赤)

原文

この文章はChannel Fireballに掲載されたHour of Devastation Limited Set Review: Redの和訳である。原文の掲載は2017年7月6日だった。著者はLuis Scott-Vargas(LSV)氏。

リミテッドレビューとあるが、実際にはドラフトに重きが置かれていると思われる。というか、赤の回から煽りが変わっている。

LSV fires off the next installment of his Set Review, evaluating every red card in Hour of Devastation for Draft!

ちなみに黒は下記。Sealedはやっぱり対象外なんですねえ。

LSV is back (in black) with the next installment of his Set Review—rating each black card in Hour of Devastation for Draft and Sealed!

以下訳文。点数表は省略。の記事を見てほしい。


《削剥/Abrade》 (アンコモン)

3.5点

この環境でアーティファクトを壊すことが絶対になかったとしても、《削剥/Abrade》は初手級。 インスタント・タイミングで2マナ3点ダメージは強力で、《粉砕/Shatter》としても使えるのは嬉しいオマケだ。

《かすむ刀剣/Blur of Blades》 (コモン)

1.5点

1枚目の「かすむ」カードは良さそうに見える。 タフネス1のクリーチャーを殺せるし、戦闘の助けにもなる。2マナぶんの働きはする。 しかし、たくさん使いたいカードではない。 大抵の相手で、このカードの対象にしたいようなカードはそれほど多くないだろう。 だから私は1枚だけメインに入れて、後はサイドに残しておこうと思う。 追加のダメージは加点要素だが、それでも「強力カード」には及ばない。

《燃え拳のミノタウルス/Burning-Fist Minotaur》 (アンコモン)

3.5点

何が相手でも戦闘で倒せる効果的なアタッカー。2マナにしては素晴らしい。 十分なリソースがあれば1回殴るだけで対戦相手のライフを6点以上持っていくことさえできる。 仮に強化能力がなくても十分強力。 ピックの優先順位は高価いし、赤いデッキには喜んで投入しよう。

《チャンドラの敗北/Chandra’s Defeat》 (アンコモン)

3.0点

完全にサイドボード向けのカード。しかしパワーと効率は十分だ。 大半のプレイアブルなカードよりもピックする価値がある。 もし唱えることができれば、こいつがマッチアップへの影響は、6番目にピックしたコモンなんかよりよっぽど大きい。

《混沌の大口/Chaos Maw》 (レア)

4.0点

7マナは重い。しかしそれに見合うくらい、《混沌の大口/Chaos Maw》は盤面をスッキリさせてくれる。 もしこのカードを唱えられるまで生き延びることができれば、小さいやつは一掃されて6/6のボディが盤面に残ることになる。 これなら次のターンだって生き延びられるだろう。 これはランプ・デッキの到達点にもってこいだし、コントロールをやるならぜひ欲しいカードだ。

《突破/Crash Through》 (コモン)

1.0点

他のカードと交換できるとしても、《突破/Crash Through》はデッキのスロットを割くだけの仕事をしない。 サイクリングしても効果は微々たるもので、ゲームへの影響はほとんど影響ない。

《果敢なケンラ/Defiant Khenra》 (コモン)

2.0点

パンプキン・スパイス・ラテよりも基本に忠実。 大抵の場合、何かの役には立つだろう。 2マナが欲しいなら、是非コレを。

《地揺すりのケンラ/Earthshaker Khenra》 (レア)

3.5点

最初のバージョンは、1/1がブロックされるのを防いでくれる2/1速攻のカード。2マナでは十分強いし、アグロでぜひ使いたい。 永遠で4/4速攻バージョンになると、ブロッカーをしっかり取り除いてくれる。 影響力と力を兼ね備えたカードで、赤のデッキになら何にでも入るだろう。 アグロでならより良いが、別にアグロである必要はない。

《熱烈の苦悶術師/Fervent Paincaster》 (アンコモン)

3.5点

2ターンに1度だろうと、ティムはティムだ。 タフネス1のクリーチャーを紙くずに変え、戦闘を有利にする能力は強力だ。 こいつはさらに毎ターン対戦相手のライフを削ることができる能力も持っている。 片方の能力しか持ってなかったとしても喜んで使うだろう。喜んでピックする。

《火付け射手/Firebrand Archer》 (コモン)

2.5点

2マナでまっとうなクリーチャー。 赤いデッキの大半は、ロング・ゲームでこれを使うと幸せになれる。 赤青呪文デッキなら是が非でもほしい1枚だ。 《熱錬金術師/Thermo-Alchemist》には及ばないが、呪文デッキなら期待通りに、そうでないデッキでもそれなりに機能する。

《前線の壊滅者/Frontline Devastator》 (コモン)

3.0点

《前線の壊滅者/Frontline Devastator》はかなりの打撃を与えるカードだ。 4マナ3/3だけならプレイしたくなるラインよりもちょっとだけ落ちる。 しかし加虐2でブロックしてきた相手を削れるし、強化能力によってお値段以上のパンチ力だ。 大型クリーチャーを排除したり、ダブル・ブロックしてきたやつを両方とも殺したりできる。 相手に攻撃が通れば5点・6点のダメージを与えられる。 あまりたくさんあっても困るが、1枚か2枚あると素晴らしい。 広く使われてた《燃えさし角のミノタウルス/Emberhorn Minotaur》に似ている。

《金色のセロドン/Gilded Cerodon》 (コモン)

1.0点 または 3.0点

砂漠がなければせいぜい並のカード。 もし僅かにでも砂漠があれば、金色とまではいかずともいぶし銀のカードにはなれる。 対戦相手に効率よく圧力をかけられるので、5マナ・クリーチャーのスロットを埋めるにはいいカードだ。 ただ、5マナ・クリーチャーのスロットに入るカードは、他にもたくさんあるんだが。

《花崗岩のタイタン/Granitic Titan》 (コモン)

2.0点

《砂漠セロドン/Desert Cerodon》の強化版だ。 サイクリングコストは重くなってるが、威迫がついてるところがいい。 やや遅いフォーマットでならより強いカードだろう……保証はしないが。

《ハゾレトの終わりなき怒り/Hazoret’s Undying Fury》 (レア)

0.0点

かなり酷いカードじゃないか? もしデッキの土地でないカードがすべて5マナ以下だとしても、それが2枚以上めくれる可能性は80%程度しかない。 2枚以上めくれたところで、せいぜい5マナから8マナぶんの呪文が唱えられるだけだろう。 このカードは6マナで、 さらに 次のターンに土地がアンタップしなくなってしまう。 仮に1対2交換とか1対3交換ができたとしても、ちょっと欠点が大きすぎる。 もしアンタップ制限がないなら私は使っただろう。しかし、この制限はきつすぎる。

まあ確かに、私の予想が間違っていて、1対3交換が取れて10マナぶんの働きをするかもしれない。 でもそんな幸運が頻繁に起こるとは到底思えない。

《破滅の刻/Hour of Devastation》 (レア)

3.0点

5マナの全体除去はちょっと不安が残る。 しかし、こいつは十分破滅的で、ミッドレンジやコントロールで使いたいカードだ。 赤緑のデッキで使い、あなたの6/6クリーチャーだけを盤面に残せる、そんな可能性も僅かにある。 初手にこのカードがあれば、1対3交換を成立させる準備をすることもできる。 超強力カードではないものの、長期戦に向かうなら良い手段になる。

《差し迫る破滅/Imminent Doom》 (レア)

0.0点

あなたはカウンターの増加と呪文のマナ・コストを一致させないといけない。 つまり、1マナ・2マナ・3マナの順で使わなければいけない。 効果は魅力的かもしれないが、リミテッドでは現実的でない。 無理があるカードだ。

《業火の噴流/Inferno Jet》 (アンコモン)

2.5点

大半の場合は死に札で、極稀にデッキで最強のカードになれる。 これこそ、サイクリングの恩恵を顕著に受けるカードだ。 役に立たないときはサイクリングできるので、対戦相手にダメージを与えるデッキなら何にでも入れやすい。 このフォーマットをプレイしている間、ずっとこのカードに怯えることになるだろう。

《ケンラの潰し屋/Khenra Scrapper》 (コモン)

3.0点

何の不満もない。 しばらくの間は何の不安もなくパワー2で攻撃できるし、 相手にブロッカーが揃ってきたら督励しはじめればよい。 3マナとしては強力なカード。アグロデッキにもミッドレンジにも合う1枚だ。

《火をつける怒り/Kindled Fury》 (コモン)

1.5点

凡庸なコンバット・トリック。それ以上でも以下でもない。 1マナ払う価値があるくらいには、戦闘で勝てるようになるだろう。 でもデッキに入れたいカードではない。

《マグマロス/Magmaroth》 (アンコモン)

1.0点 または 3.0点

呪文に偏重したデッキにおいては、岩のように手堅い一枚。 デッキに10枚以上の呪文があれば毎ターン呪文を唱えるのも難しくないだろう。 それに4マナ5/5は、だんだん縮小するとしても十分なサイズだ。 -1/-1カウンターを使った除去にもわずかに耐性がある。ちょっとしたオマケだ。

《マンティコアの永遠衆/Manticore Eternal》 (アンコモン)

3.5点

サイズが良好でブロックしてきた相手を削れる。これはいい組み合わせだ。 毎ターン攻撃しなければいけないという制限はあるが、大した問題ではない。 こいつがチャンプ・アタッカーに終わることなどめったにないからだ。 ただ、この制限のせいでコントロールデッキでは少し弱いだろう。 (純粋なコントロールでもないかぎり、依然としてプレイアブルなカードではある。)

《永遠衆、ネヘブ/Neheb, the Eternal》 (神話レア)

3.5点

5マナ4/6は赤にしては巨大で、戦闘で生き延びるのは難しくない。 だから、3~4マナは簡単に得ることができ、後のターンで爆発的に展開できるようになる。 ボムと呼ぶには一歩足りないが、極めて堅実な5マナ・クリーチャーだ。

《発射/Open Fire》 (コモン)

3.5点

きれいでシンプルな除去で、必要な本体にも飛ばせる。 《稲妻の一撃/Lightning Strike》ではないが、十分初手級の強さだろう。

《穿刺の一撃/Puncturing Blow》 (コモン)

3.0点

《発射/Open Fire》より一段劣るが、《穿刺の一撃/Puncturing Blow》はそれでも十分強力だ。 ほとんどなんでも殺せるし、永遠も予防することができる。 ソーサリーであることが最大の欠点だが、デッキから抜くことはないだろう。

《砂かけ獣/Sand Strangler》 (アンコモン)

3.5点

たしかに砂漠は必要になるが、それを見つけるのは難しくないし、能力が誘発するならイカれた強さだ。 もしコレが手に入れば、私は色が合わないサイクリング砂漠でも使うだろう。 コレを最初にピックして、あとから砂漠をドラフトしてもよい。

《棘モロク/Thorned Moloch》 (コモン)

1.5点

アグレッシブな呪文デッキというのは実現が難しいだろう。それがどういう形になるのか私にもわからない。 もしそんなデッキが成立するなら、このカードの等級も上がる。 ただ、今の時点では狭い範囲でのみプレイアブルなカードだと予想する。

《野火の永遠衆/Wildfire Eternal》 (レア)

3.5点

これをブロックするのは痛いが、ブロックしないと無償のマナを与えることになってしまう。 終盤戦になると呪文がタダになっても嬉しくなくなるので、評価が落ちる。 それでもダメージ自体は問題なく通すことができるが。 強力に運用するにはいくつか手間が掛かるが、《野火の永遠衆/Wildfire Eternal》は私の好みだ。

赤のコモンベスト3

  1. 《発射/Open Fire》
  2. 《穿刺の一撃/Puncturing Blow》
  3. 《前線の壊滅者/Frontline Devastator》

赤のベストコモンは明らかに強力で、ピックの優先順も高い。 遅いデッキによくマッチするカードがある一方で、赤は攻撃的な色としても強力だ。 フォーマットの速度がどうであれ、素晴らしい色に思える。