原文
この文章は海外公式サイト (DailyMTG)に掲載されていた(Common) Casting Costsの和訳である。原文の掲載は2014年2月24日だった。
初心者向け記事であるLevel One、Mike Flores氏版の第5回。
- 前回: [翻訳記事] The Deck
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ある点数のマナでできることって普通は何なのか、という内容だが、今日のスタンダード環境に当てはまらない部分はかなり多い。とくに、公式サイトによると、1マナのマナ・クリーチャーや4マナの無条件全体除去は作成しない方針になっているとのこと。これについては公式サイトの記事、『スタンダードのパワー・レベル』(原文)を参照。
以下訳文。
大学2年の頃、私は木曜の夜を毎週楽しみにしていた。 私はMTGが生まれた場所であるペンシルバニア大学へ行っていたのだ。 しかし当時はプロツアーやフライデー・ナイト・マジック(FNM)が始まるずっと前であり、情報は今のように溢れておらず、地元の他のプレイヤーと繋がる方法は殆どなかった。 結果として、市内各所から何十人もの男たちが、木曜の夜にペンシルバニア大学に集まっていた。 彼らの多くはペンシルバニア大学に通ってすらいなかった。そのうち何人かはRichard Garfieldのオリジナルのプレイテストの相手だったりしたのだが。
この集団は明らかにごちゃごちゃしていた。 そこでは多くのトレードが行われており、経験値やマジックへの取り組みのレベルが異なるプレイヤーがチームを組むことになって、不愉快なチーム戦が生まれたりもしていた。 おやおやという感じだ。このとき、私はチーム戦を「高度な」MTGだとみなすようになり、1対1のゲームを基本的なもの・子供向けのものだとみなすようになっていた。
当時のチーム戦は何か別のものであった。《セラの天使/Serra Angel》や《Black Lotus》のようなパワー・カード(ちょうど前回説明したデッキ……じゃなかった、The Deckにかつて入っていたようなカード)を叩きつけるプレイヤーと、《灰色オーガ/Gray Ogre》を使うプレイヤーが同じテーブルにいたりしたのだ。
……これがこのエピソードを書いている理由である。
Gray Ogre / 灰色オーガ (2)(赤)
クリーチャー - オーガ(Ogre)
2/2
私はテーブルの向こうの対戦相手が《灰色オーガ/Gray Ogre》を召喚したときのことを決して忘れないだろう。 このときには理由をうまく説明できなかったが、非常に煩わしかったのだ。 彼が《灰色オーガ/Gray Ogre》を使ったのは、コレクションが充実しておらず、強いカードを持っていないからではなさそうだった。 彼は《稲妻/Lightning Bolt》のような良いカードや、他にもそれなりのクリーチャーを使っていたからだ。 しかし、彼は《灰色オーガ/Gray Ogre》 も プレイしてきた。 では、《灰色オーガ/Gray Ogre》の問題点とはなんだろう?
ここでしばらく時間をとり、《灰色オーガ/Gray Ogre》をプレイすることはなぜ避けるべきなのか考えてみよう。 最低でも真剣に、構造的に、戦略的に、いくつかの理由を考え出してみようではないか。
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《灰色オーガ/Gray Ogre》は(2)(赤)というコストの割に、あまり効果的なカードではない。あなたは《炬火の炎/Flames of the Firebrand》を使うことで、その間抜けの《灰色オーガ/Gray Ogre》を焼き払い、さらに 1点のダメージを他の小型クリーチャーや対戦相手に飛ばすことができる。
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《灰色オーガ/Gray Ogre》は(2)(赤)というコストの割に、あまりよい クリーチャー ・カードではない。とくに《Mox Pearl》や《Timetwister》が飛び交うような無法地帯でプレイしている場合、(2)(赤)あればバニラの2/2よりも良い行動ができるのは確実だ。《躁の蛮人/Manic Vandal》や《スークアタの槍騎兵/Suq’Ata Lancer》は両方とも、《灰色オーガ/Gray Ogre》と同じく(2)(赤)で2/2だが更におまけがついている。
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2/2のクリーチャーっていうのがそもそもダメだ。2/2の赤のクリーチャーは「《破滅の刃/Doom Blade》で死ぬ」ってだけじゃなくて「《ショック/Shock》でも死ぬ」し、「《炬火の炎/Flames of the Firebrand》の一部でも死ぬ」。そして、多くの戦闘シーンでも死ぬだろう。
私はすべての2/2クリーチャーがダメだと言いたいわけではない。 しかし、最初の2つの理由は致命的だ。 では逆に、《灰色オーガ/Gray Ogre》を プレイすべき 理由がもしあるとすればそれは何だろう?
- 2/2クリーチャーがどうしても欲しい。
- フレーバー・テキストが好きだから。20年MTGをプレイしているが、《灰色オーガ/Gray Ogre》のフレイバー・テキストに心を奪われていることを、私は正直に告白しなければならない。
人々が本当に欲しいのは製品ではない。人々が求めているのは、特定の体験をしたり、特定の問題を解決することだ。ドリルを購入する必要があるのは誰だか知っているだろうか? それは穴を開けたい人なのだ。
実際のところ、MTGのプレイヤーは良いデッキでいつの間にか2/2のクリーチャーを使っていたりするものである。それがたとえ特別な能力のない、「バニラ」の2/2であってもだ。 だから、おそらく2/2のクリーチャーだからといってダメだと決めつけることはできないだろう。
《灰色オーガ/Gray Ogre》の顕著な欠点2つが、カード・アドバンテージに対するコストについての議論だった事に、あなたはもう気がついているだろう。 決して(2)(赤)を支払うべきでないというわけではない。しかし、 この厚紙1枚のために (2)(赤)を支払うべきではないのだ。
《炬火の炎/Flames of the Firebrand》(より古くからプレイしてるプレイヤー向けにいうと、《弧状の稲妻/Arc Lightning》)は、同じマナ・コストで《灰色オーガ/Gray Ogre》と交換でき、さらに追加で何かを行うことができる。 カード・アドバンテージの問題になる可能性があるということだ。 《躁の蛮人/Manic Vandal》はほとんど《灰色オーガ/Gray Ogre》と同じだが、もしこれが戦場に登場すれば、対戦相手の《泡立つ大釜/Bubbling Cauldron》を破壊できるだろう。 これはカード・アドバンテージの問題であり、得られる効果の話題でもある。 たとえ私が2/2のクリーチャーのために(2)(赤)を支払うことがあるとしたら、結果として私が得るものは、ただの2/2クリーチャーよりもずっと良いものだろう!
この記事では「MTGにおいて強いカード・プレイアブルなカードは一般に何によって決まるのか」という、終わりなき議論のブラック・ホールは迂回することにする。 ここでは私のいうポイントに注目してほしい。 今や我々は(まさに今飛躍を遂げているプレイヤーでさえ)、なぜ《灰色オーガ/Gray Ogre》が嫌なカードなのかを説明する言葉を持っている。 そして(2/2のクリーチャーのような)一般的な効果に対して何を支払ったかについての経験を共有しているだろう。 今回のLevel Oneの残りの部分では、後者についてのリストをすこしだけお届けしよう。
あなたが競技的なMTGへの理解とアプローチをすすめるにつれて、カードがどれだけコストがかかるのかに注意することは、カードにどれだけのコストを払っているかを理解するためにますます重要になっていくだろう。
ではお届けしよう。
一般的なコスト である。
1マナ
MTGのほぼすべてのカード・タイプには、1マナで、広く使われている良い例がある。 ユーティリティー・クリーチャー、攻撃的なクリーチャー、防御的な呪文、妨害呪文、ゲームを容易にする呪文(facilitator spell)が、もっとも一般的な1マナのカードになる。
2/2クリーチャー
2/2のクリーチャーを得るために何マナかかるか疑問に思うかもしれない。 素晴らしいオマケがついてない場合でいえば、答えは1マナ、ときには0マナである。
- 《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》
- 《ゴブリンの先達/Goblin Guide》
- 《金属ガエル/Frogmite》
《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》は伝説のクリーチャーであるという軽いペナルティがついている。 《ゴブリンの先達/Goblin Guide》には2つの強力なメリット(速攻と情報)があるが、潜在的なペナルティも持っている(相手は追加で土地カードをドローするかもしれない)。 《金属ガエル/Frogmite》のカードの右上には(4)と書いてあるが、実際に掛かるコストは親和(アーティファクト)のために大抵1マナ以下になるだろう。
- 《カーノファージ/Carnophage》
- 《肉占い/Sarcomancy》
- 《戦墓のグール/Diregraf Ghoul》
黒の1マナ2/2クリーチャーは、《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》よりもペナルティが重くなっている傾向がある。通常、彼らは攻撃に効果的だが、防御では頼りない。ちょうどNBAオールスター級のガード(訳注:バスケットボールのポジション)が多すぎるような状態だ。
《灰色オーガ/Gray Ogre》ではなく、《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》をプレイせよ。
《今田家の猟犬、勇丸/Isamaru, Hound of Konda》などの2/2クリーチャーが持つ欠点は、潜在的に巨大なマナ・コストの違いに比べ、小さなものであるといえるのだ。
マナ・クリーチャー
1マナは緑にとって重要なマナ・コストである。緑のマナ加速の主役、複数のフォーマットで活躍するオールスターの多くは、マナ・コストが(緑)なのだ。 (緑)以上のマナ・コストを必要とするマナ・クリーチャーがないわけではないが、その場合追加のマナに見合うだけの大量のメリットを得ているべきだ(下記参照)。
- 《極楽鳥/Birds of Paradise》
- 《東屋のエルフ/Arbor Elf》 / 《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》 / 《Fyndhorn Elves》 / 《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
- 《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman》 / 《貴族の教主/Noble Hierarch》
需要やフォーマットの制限に依存して、あなたは《深き闇のエルフ/Elves of Deep Shadow》や《ボリアルのドルイド/Boreal Druid》のようなパッと見嫌なカードを目にすることになるかもしれない。このようなカードにおいて、○○エルフに追加のマナが必要になることは、プレイアブルな1マナのクリーチャーを唱えるために特定のマナが不足することよりも重大だと考えられる。
《ユートピアの木/Utopia Tree》ではなく、《極楽鳥/Birds of Paradise》をプレイせよ。
このクラスのカードにおいて1点のマナが追加で必要になることは、大きな違いである。 カードの目的が加速である場合は特にそうだ。 もしマナ・クリーチャーを得るために2マナやそれ以上を支払うなら、あなたは何か最高に素晴らしいものを手に入れなければならない。
単体除去
1マナは単体除去においても重要なコストである。 簡潔に言うと、対戦相手が繰り出した脅威を1体殺すために、もし対戦相手が支払った以上のコストを支払ってしまうと、あなたは不利になってしまうのだ。
- 《稲妻/Lightning Bolt》
- 《流刑への道/Path to Exile》 / 《剣を鍬に/Swords to Plowshares》
- 《恐ろしい死/Ghastly Demise》 / 《闇の裏切り/Dark Betrayal》 / 《死の印/Deathmark》
《稲妻/Lightning Bolt》は歴代最高の赤のカードだろう。《稲妻/Lightning Bolt》が使用可能なフォーマットでは、クリーチャーを選択するにあたって、タフネスが3なのか4なのかに注意をしなければならない。 なぜなら、この非常に多才な呪文で殺されてしまうクリーチャーに大量のマナを投資するのは、全くの無駄だからである。 《稲妻/Lightning Bolt》の「劣化版」であるカードがいくつかある。《ショック/Shock》は《稲妻/Lightning Bolt》の2/3のダメージしか与えない。《稲妻の一撃/Lightning Strike》のコストは《稲妻/Lightning Bolt》の2倍かかる。《火山の鎚/Volcanic Hammer》は《稲妻の一撃/Lightning Strike》をさらに遅くしたカードだ。しかし、これら3枚はすべて対応するスタンダード環境で重要なものだった。このことが、ベンチマークカードとしての《稲妻/Lightning Bolt》の地位を確かなものにしている。
1マナで無条件に単体除去を行えるカード、《流刑への道/Path to Exile》や《剣を鍬に/Swords to Plowshares》のようなカードには、使うのを躊躇わせるような厳しいペナルティーがついている傾向がある。しかし、実際のところそれらのペナルティーは十分でない。 あなたが《流刑への道/Path to Exile》で相手の6マナクリーチャーを殺しているような時点では、対戦相手の土地が1枚増えようが問題ないということに、あなたはいずれ気づくだろう。1ターン目の《貴族の教主/Noble Hierarch》を対象にすべき場合は極めて稀だろうが。 先週取り上げたThe Deckが生んだ重要な革新のうち1つは、Weissmanは対戦相手のライフポイントを全く気にしない戦略を編み出したということだ。 これにより、彼は明白なペナルティを受けることなく《剣を鍬に/Swords to Plowshares》を使うことができる。 ここでの経験則は、 一般的に、何かを殺すときは、対戦相手がそれを生み出すために使ったコストよりも小さいコストを支払うべきだ ということだ。
プレイアブルな1マナの単体除去のうち何枚かには対象に制限がついている。黒のクリーチャーしか殺せなかったり、黒のクリーチャーを殺せなかったり、特定の状況でしか殺せなかったりする。
柔軟性の低い、《稲妻/Lightning Bolt》の代用品
- 《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》
- 《裂け目の稲妻/Rift Bolt》
- 《欠片の飛来/Shard Volley》
- 《火花の精霊/Spark Elemental》
《稲妻/Lightning Bolt》は比類ないほど強力である。しかしショックなことに、それに制限がかけられた兄弟分でさえプレイアブルだ。 例えば、《溶岩の撃ち込み/Lava Spike》や《火花の精霊/Spark Elemental》のようなプレイヤーにしか撃てない《稲妻/Lightning Bolt》もそうだし、《欠片の飛来/Shard Volley》や《裂け目の稲妻/Rift Bolt》のようにカードや時間をコストとして要求してくる割高なバージョンもそうである。
ドローとカード濾過
- 《Ancestral Recall》
- 《渦まく知識/Brainstorm》
- 《思案/Ponder》
- 《定業/Preordain》
- 《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》 / 《のぞき見/Peek》
(青)の1マナで「カードを引く」と書いてあるカードは、インスタント・ソーサリー両方で、複数のフォーマットにおける重要な要素となっている。 このように安価なカードでも求められる水準は極めて高い。例えば《強迫的な捜索/Obsessive Search》はまったく魅力を示すことはなかった。
《時間の把握/Telling Time》ではなく、《血清の幻視/Serum Visions》をプレイせよ。
《時間の把握/Telling Time》はモダンフォーマットで使用可能だが、殆どのデッキにおいて2マナは《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》を変身させるには重すぎる。 僅かに柔軟性が劣る(しかしコストが軽い)《血清の幻視/Serum Visions》が、《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration》に変身させるのに最適なのだ。
手札破壊
- 《陰謀団式療法/Cabal Therapy》
- 《強迫/Duress》
- 《葬送の魔除け/Funeral Charm》
- 《思考囲い/Thoughtseize》
青のドローやカード濾過と対等に、上記のような黒の1マナ呪文もフォーマットをまたいで重要な役割を果たしている。
《頭の混乱/Addle》や《強要/Coercion》ではなく、《コジレックの審問/Inquisition of Kozilek》をプレイせよ。
《頭の混乱/Addle》や《強要/Coercion》は非常に小さいフォーマットでプレイされるのを見かける。他の選択肢も相応に少ないためだ。手札破壊呪文が2点以上のマナを要求するなら、それらは非常に高いインパクトを持つ傾向にある。《トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach》や《荒廃稲妻/Blightning》などがそうだ。
2マナ
カードに「沢山の」マナをつぎ込む前に、構築戦を最もしっかりとささえている要素のうちいくつかが2マナであることを知っておこう。 MTGの芳醇な歴史の中、最も柔軟で相互作用するカードから、最も環境を決定づけるクリーチャーまで、あらゆるものが2マナに揃っているのだ。
黒の単体除去
- 《破滅の刃/Doom Blade》
- 《喉首狙い/Go for the Throat》
- 《恐怖/Terror》
- 《夜の犠牲/Victim of Night》
プレイアブルな黒の単体除去は、おおよそ2マナに固定されている。おそらく最も象徴的なのは《破滅の刃/Doom Blade》だろう。 すべての選択肢は、このマナ・コストと比較されることになる。
《殺害/Murder》でなく《肉貪り/Devour Flesh》をプレイせよ。
《肉貪り/Devour Flesh》は、あなたが欲しいものをいつでも提供してくれるわけではないし、対戦相手にライフを与えてしまう。しかしこのカードは2マナだ。 一方で、究極的に柔軟な3マナバージョンである《殺害/Murder》が、スタンダードでの人気において《破滅の刃/Doom Blade》に及ぶことは到底なかった。
柔軟な《稲妻/Lightning Bolt》の代用品
- 《火葬/Incinerate》
- 《稲妻の一撃/Lightning Strike》
- 《灼熱の槍/Searing Spear》
- 《火山の鎚/Volcanic Hammer》
これらのカードはみな、基本的には《稲妻/Lightning Bolt》より悪い。しかし、効果は強力であり、2マナは許容範囲である。最も遅いバージョンである《火山の鎚/Volcanic Hammer》であってもだ。
カウンター呪文
- 《対抗呪文/Counterspell》
- 《マナ漏出/Mana Leak》
- 《差し戻し/Remand》
《取り消し/Cancel》ではなく《記憶の欠落/Memory Lapse》をプレイせよ。
殿堂入りプレイヤーであるPatrick Chapinは、彼は《対抗呪文/Counterspell》より《取り消し/Cancel》が好きだと主張している。理由は、《対抗呪文/Counterspell》は唱えるのが難しくないからだ。(《対抗呪文/Counterspell》は、 良すぎる 。) しかし、《取り消し/Cancel》をプレイするには真の覚悟が要る。《取り消し/Cancel》のような、3マナの柔軟なカウンター呪文は、普通なにかオマケがついてくるものなのだ。
これらのカードを魅力的なものにしている部分は、これらのカードがあらゆる種類のカードへの回答になるからである。一般的には、同程度もしくはそれ以上に少ないマナで、だ。
MTGの環境を定義するクリーチャー
- 《電結の荒廃者/Arcbound Ravager》
- 《闇の腹心/Dark Confidant》
- 《翻弄する魔道士/Meddling Mage》
- 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
- 《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage》
MTGというのは、だいたい、すばらしい2マナクリーチャーのゲームである。 昔々は《リバー・ボア/River Boa》が最高のクリーチャーだった。その後は《野生の雑種犬/Wild Mongrel》……それ以来たくさんのことがあった。 MTGの歴史で象徴的なデッキの多くには、素晴らしい2マナ2/xのクリーチャーが含まれている。 そいつらは、何か多くのことをしたり、カード・アドバンテージや何か他の巨大なアドバンテージを稼いだりしてきた。
《タルモゴイフ/Tarmogoyf》をプレイせよ。
ここで意識調査だ。《タルモゴイフ/Tarmogoyf》を基準にする。たった2マナで通常4/5かそれ以上のサイズになるクリーチャーがいる。3マナ・4マナ・それ以上のコストに見合うためには、巨大なクリーチャーはどれだけ強力でなければならないか、考えてみてほしい。
エンチャント除去・アーティファクト除去
- 《古えの遺恨/Ancient Grudge》
- 《解呪/Disenchant》
- 《存在の破棄/Revoke Existence》
この効果は一般的に効率・インスタント速度・2マナでの1対1交換というあたりで《解呪/Disenchant》が基準になる。 柔軟性を少し犠牲にした場合(《古えの遺恨/Ancient Grudge》・《天啓の光/Ray of Revelation》・《神への捧げ物/Divine Offering》)、カード・アドバンテージや何か他のメリットが得られるようになる。
《酸化/Oxidize》や《自然の要求/Nature’s Claim》のような1マナのバージョンは、軽量であるために特に望ましい。
《オアリムのいかづち/Orim’s Thunder》でなく《浄化の印章/Seal of Cleansing》をプレイせよ。
劇的なメリットにアクセス可能であることよりも、支払うマナが少ないことのほうが通常は良い。
防御的なマナ・クリーチャー
- 《根の壁/Wall of Roots》
- 《森の女人像/Sylvan Caryatid》
- 《ぶどう棚/Vine Trellis》
このマナ域のマナ・クリーチャーの多くは、良いブロッカーになり、高いタフネスや呪禁によって除去への耐性を備えている。
クリーチャー以外のマナ加速
- 《遥か見/Farseek》
- 《北方行/Into the North》
- 《不屈の自然/Rampant Growth》
(1)(緑)で得られるこのような効果は、クリーチャーを相手の除去に差し出すことなく、多色化を加速できる。 《不屈の自然/Rampant Growth》は《山/Mountain》を入手できる。《北方行/Into the North》は《冠雪の島/Snow-Covered Island》を入手できる。《遥か見/Farseek》は《寺院の庭/Temple Garden》を入手できる。
《レインジャーの道/Ranger’s Path》ではなく、《肥沃な大地/Fertile Ground》をプレイせよ。
《肥沃な大地/Fertile Ground》には土地を探してくる機能がなく、ライブラリーをシャッフルすることもできない。しかし、《レインジャーの道/Ranger’s Path》のようなカードと比べてずっと軽い。人気度では比較できないほどの違いがある。
3マナ
カード・アドバンテージつきの《灰色オーガ/Gray Ogre》
- 《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》
- 《騒がしいネズミ/Chittering Rats》
- 《躁の蛮人/Manic Vandal》
- 《ウークタビー・オランウータン/Uktabi Orangutan》
この記事の初めのほうで《灰色オーガ/Gray Ogre》について触れていたのを憶えているだろうか。 《灰色オーガ/Gray Ogre》のような3マナ2/2クリーチャーがプレイされるのを見ることが何度かあるだろうが、それはそのクリーチャーが追加で何かをする場合に限られるだろう。 その何かとは、通常カード・アドバンテージの獲得だ。 いくつかのフォーマットでは、 明確な カード・アドバンテージを稼がないバージョンであってもプレイされている。たとえば《大クラゲ/Man-o’-War》がそうだ。
単体の土地破壊
- 《Icequake》
- 《溶鉄の雨/Molten Rain》
- 《Tharmokarst》
MTG20年の歴史の中で、土地を破壊できる3マナのソーサリーは大量に作られてきた。 《石の雨/Stone Rain》や《涙の雨/Rain of Tears》がそうだ。 《溶鉄の雨/Molten Rain》や《峰の噴火/Peak Eruption》のように、状況によって何点かのダメージを与えるものがある。
《破砕/Demolish》ではなく《略奪/Pillage》をプレイせよ
4マナの《破砕/Demolish》は10年以上の歴史を持つが、定番として使われたのはたった1つデッキにおいてだけだ。一方、3マナの《破砕/Demolish》は、赤使いがそれをプレイできる環境ならどこでも見ることができた。
4点ダメージ
- 《黒焦げ/Char》
- 《炎の投げ槍/Flame Javelin》
- 《血の手の炎/Flames of the Blood Hand》
他の柔軟なカウンター呪文
- 《対抗変転/Counterflux》
- 《解消/Dissolve》
- 《雲散霧消/Dissipate》
これらの呪文は《対抗呪文/Counterspell》よりわずかに魅力ある効果を持っているが、1マナ重くなってしまっている。
主力な脅威であるクリーチャー
3マナは、1体で攻撃にもユーティリティーにもなるような、分類の難しいクリーチャーが多く揃っている場所でもある。 《ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique》・《真の名の宿敵/True-Name Nemesis》・《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》・《ケンタウルスの癒し手/Centaur Healer》のようなカードの存在は、同じ3マナと引き換えに多彩な選択肢を提供する。
4マナ
全体除去
- 《審判の日/Day of Judgment》
- 《滅び/Damnation》
- 《至高の評決/Supreme Verdict》
- 《神の怒り/Wrath of God》
戦場にいるクリーチャーを1つ残らず破壊する場合、通常支払うコストは4マナだろう。
たくましいライフ・ゲイン
- 《ロクソドンの教主/Loxodon Hierarch》
- 《強情なベイロス/Obstinate Baloth》
- 《貪欲なるベイロス/Ravenous Baloth》
ここに分類したカードは、通常4/4のボディと4点のライフゲインをもたらす。
デッキの主力になる、ゲームに勝利できるカード
- 《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》
- 《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
もっともプレイアブルな4マナのカードというのは、それだけでゲームに勝てるカードだ。
まとめ
1つの記事だけでプレイアブルなカードを構成するものすべてをカバーすることはできない。 望む効果を生み出す特定のカードのために、あなた個人が実際にどれだけのコストを支払うべきかを十分に説明しきることも不可能だ。 この記事の目的は、環境についての情報をいくらか提供することで、あなたがコスト関連の明白な落とし穴に嵌らないようにすることである。