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[翻訳記事] プロツアー地域予選からわかる! アモンケット・シールド環境4大ひみつ

原文

この文章はmtgmintcardに掲載された4 Amonkhet Sealed Tips from one RPTQ Experience の和訳である。原文の掲載は2017年6月16日だった。


プロツアー地域予選の経験から得られた、アモンケット・シールド環境4つのTips

先週末、私はクアラルンプールで行われたプロツアー地域予選に出場した。 私はそこでスイスラウンドで4-0-2を獲り、トップ8になることができた。 私はGP京都とプロツアー破滅の刻の取材を行う予定があったために、トップ8になった後知人相手にIDしたのである。 プロツアーへの招待をプロツアーイクサランまで延期してもらえたかもしれないが、その知人が出場するほうが良いと考えたのだ。

しかし、先週末話題に上がったのは、なぜ私がトップ8という予告ホームランを打つことができたかだ。 私はいくつかの国から来た多くの知人に、このフォーマットに非常に自信があるということを伝えていた。 自慢だと受け取られていないことを祈るが、”楽勝”とか”無問題”とか冗談交じりで言っていたのである。 リミテッドにこそ私の強みがあるので、内心を語ることは恥ずかしくなかった。 そして、信頼できる友人に自分の感情を隠す必要もなかったのだ。

私のシールド・デッキは非常に良いとよべるものではなかったし、これについては友人たちも同感だった。 あなた自身でも判断できるかもしれない。以下に示すものが、2回のIDをするまで、4-0していた私のデッキである。

土地 (2)

  • 1x 《進化する未開地/Evolving Wilds》
  • 1x 《隠れた茂み/Sheltered Thicket》

クリーチャー (13)

  • 1x 《エイヴンの修練者/Aven Initiate》
  • 1x 《好戦的な巨口/Defiant Greatmaw》
  • 2x 《燃えさし角のミノタウルス/Emberhorn Minotaur》
  • 1x 《象形の守り手/Glyph Keeper》
  • 1x 《修練者の相棒/Initiate's Companion》
  • 1x 《周到の神ケフネト/Kefnet the Mindful》
  • 1x 《オアシュラの耕作者/Oashra Cultivator》
  • 1x 《採石場の運び屋/Quarry Hauler》
  • 1x 《鱗ビヒモス/Scaled Behemoth》
  • 1x 《シェフェトのオオトカゲ/Shefet Monitor》
  • 1x 《微光鱗のドレイク/Shimmerscale Drake》
  • 1x 《水流織り/Weaver of Currents》

呪文 (11)

  • 2x 《知識のカルトーシュ/Cartouche of Knowledge》
  • 2x 《活力のカルトーシュ/Cartouche of Strength》
  • 1x 《造反者の解放/Dissenter's Deliverance》
  • 1x 《ヒエログリフの輝き/Hieroglyphic Illumination》
  • 1x 《マグマのしぶき/Magma Spray》
  • 1x 《苦しめる一射/Stinging Shot》
  • 1x 《苦しめる声/Tormenting Voice》
  • 1x 《知識の試練/Trial of Knowledge》
  • 1x 《活力の試練/Trial of Strength》

たしかにこれはかなり乱雑に見えるが、私自身のカード選択の幾つかを説明できる内容になっている。 そして、Magic Onlineで今週末行われるプロツアー地域予選に参加する人へのヒントをいくつか提示しよう。

Tip その1 : シールド・デッキでもっとも重要なカードは、通常《進化する未開地/Evolving Wilds》である

世間の人々とは違い、私がシールド・デッキを組む際には、まず《進化する未開地/Evolving Wilds》をはじめとしたマナ補正カードを探すところから始める。 アモンケットにおいても例外ではない。 《進化する未開地/Evolving Wilds》が極めて重要だという理由は2つある。

まず、それは極めて低いコストでデッキパワーの向上を可能にするからだ。 もしあなたのプールから、《感電/Electrify》や《最後の報賞/Final Reward》、あるいは《強制的永眠/Compulsory Rest》のようなカードが出たとする。 1枚の《進化する未開地/Evolving Wilds》と、それに対応する《山/Mountain》・《沼/Swamp》・《平地/Plains》1枚は、考慮する価値がある。

これはデッキを構築する上で最も一貫性のある方法ではないだろうし、唱えるためのマナがない状態でタッチされたカードを引いてしまうことがある。 しかし、想像してほしい。《栄光をもたらすもの/Glorybringer》への対策が1枚増えるのだ! シールドにおいては通常爆弾レアをベースにデッキを構築することになるので、これは大きな違いになる。 除去呪文を3枚にすることをやめ、4枚・5枚にすることは非常に大きな違いだ。 このことは1枚や2枚の色の合わないカードを使うために3色目をタッチすることが珍しくない理由である。

2番目の理由は、このカードがデッキ構築の数学的問題を打破するからである。 土地が17枚では多すぎる、でも16枚では少なすぎる…。そう感じたとき、16枚の土地と1枚の《進化する未開地/Evolving Wilds》がまさにジャストフィットする。

Tip その2 : 1枚でなく3枚タッチしよう

これは極めて直感に反することだが、私はいつもうまくいっている。

私が好きな動きはもうほんの少しだけ色をタッチすることだ。 もし私が3枚の赤のカードをタッチするなら、1枚の《進化する未開地/Evolving Wilds》と2枚の《山/Mountain》を入れるだろう。 そして、他2色のために7枚ずつの基本土地を加えておく。 しかし、タッチする赤のカードが1枚だけなら、私は1枚の《進化する未開地/Evolving Wilds》と1枚の《山/Mountain》を入れるだろう。

違いは、デッキ内の赤マナのソースが3枚であるか2枚であるかだ。 もしあなたが1枚しか赤のカードをタッチしていないなら、《山/Mountain》2枚でゲームを始めることはまずないだろう。 しかし、カードを3枚タッチしているなら、2枚の《山/Mountain》をプレイすることは正当だ。

このバランスは非常にデリケートで、体感するには微妙すぎるのだが、タッチするカードを1枚から3枚に増やすと、あなたは色不足に陥りやすくなってしまう。 だが、それは犠牲にしても良いものだと指摘しておきたい。 この問題を軽減するために私がよく行うのは、メインの色で色拘束が2つ以上あるカードを切り捨てることだ。

例えば、もし私のデッキが青緑タッチ赤だとして、私はマナコストに(青)(青)や(緑)(緑)を含むカード、そしてそのかわりになるカードを見つけるだろう。 ここから先を読む上で忘れないでほしいのは、これはすべてリスクの緩和のためにやるということだ。 気がついたかもしれないが、私はデッキに、(青)(青)が必要なカードと(緑)(緑)が必要なカードをそれぞれ1枚ずつしか使っていない(《象形の守り手/Glyph Keeper》と《鱗ビヒモス/Scaled Behemoth》)。 たしかに、これらのカードは極めて強力であり、私が青や緑をやるなら確実にプレイするだろう。 しかし、強力だと感じているにも関わらず、《古代ガニ/Ancient Crab》はデッキに入れていない。

私のポイントは、もし《Giant Turtle》(使用可能だとして)と《古代ガニ/Ancient Crab》を比較したとき、私はタフネス1点を犠牲にしてでも、(青)(青)が必要なカードを切り捨てるということだ。(訳注: ここの《Giant Turtle》((1)(緑)(緑))は《角海亀/Horned Turtle》((2)(青))の誤りだと思われる) このように、(青)(青)や(緑)(緑)を必要とするカードを他の選択肢に交換するなどの細部の調整を行うことで、カラー・スクリューの危険性は減り、色をタッチする余裕が生まれるだろう。

私のデッキには《進化する未開地/Evolving Wilds》に加え、《隠れた茂み/Sheltered Thicket》・《オアシュラの耕作者/Oashra Cultivator》そして《シェフェトのオオトカゲ/Shefet Monitor》が入っていた。 これにより、代償をほとんど支払うことなく、3色目のタッチが可能になっている。 これらのカードは2色デッキでも結局プレイするものだろう。なので、3色目のタッチに使うときも大した犠牲は必要なかったのだ。

Tip その3 : サイクリングとカードの選択を行い、アドバンテージを得よう

私のシールド・プールにおいては、5色すべてを見ても1マナのクリーチャーは3枚だけ、2マナのクリーチャーは4枚だけしかなかった。 GP神戸の優勝者であるJoe Sohはこれを見て、私がこの問題に悩まされていることにすぐに気がついた。 第5ラウンドの終わりに、私がスタンディングのトップに立っているのを見た彼は、非常に驚いたと伝えてきた。

通常、あなたは沢山の2マナクリーチャーをプレイして、相手に圧倒されないようにすることを望むだろう。 とくにアモンケット環境においては督励のために攻撃を押し通しやすく、さらにカルトーシュをつける先の肉が必要でもあるからだ。

でも時には、そのような1マナ・2マナのクリーチャーが手に入らないこともある……。

しかし問題はない!

私は《知識の試練/Trial of Knowledge》と《活力の試練/Trial of Strength》をデッキに入れていたので、《知識のカルトーシュ/Cartouche of Knowledge》と《活力のカルトーシュ/Cartouche of Strength》はぜひとも唱えたいカードだった。 もし、このコンボを引き出すことができれば、おそらく勝利できるだろう。

しかし、1マナ・2マナのクリーチャーの不足は深刻な問題だった。 結局私は、《オアシュラの耕作者/Oashra Cultivator》と《修練者の相棒/Initiate’s Companion》しか入れていないが、これはそれしか選べるものがなかったためだ。 私は、《聖なる猫/Sacred Cat》・《突風歩き/Gust Walker》・2枚の《絶妙なタイミング/Impeccable Timing》と2枚の《結束のカルトーシュ/Cartouche of Solidarity》のために白をタッチすることも考えた。 しかし、私が選んだのは別の道だ。

2マナのクリーチャーを叩きつける代わりに、サイクリングしまくり、カードを選択しまくることにしたのだ!

序盤にとれるアクションの欠乏を補うため、私は《造反者の解放/Dissenter’s Deliverance》と《苦しめる一射/Stinging Shot》を投入した。これは実際に素晴らしいカードだ。 《権威の殿堂/Edifice of Authority》や《オケチラの碑/Oketra’s Monument》はちょくちょく見るカードであるし、《苦しめる一射/Stinging Shot》は誰もプレイしようとしないが実際には素晴らしいカードだ。 どちらのカードもサイクリングを持っているので、素晴らしいシナジーも期待できる。 あなたのデッキにもっとクリーチャーや呪文を追加したい場合、これらのカードは「土地0.5枚分を削る」ことを赦してくれるだろう。

さらに、私のデッキには素晴らしいカードが数枚入っていて、ちょっとしたコンボデッキにもなっていた。

  • ボム
    • 《周到の神ケフネト/Kefnet the Mindful》
    • 《象形の守り手/Glyph Keeper》
    • 《鱗ビヒモス/Scaled Behemoth》
  • コンボ / シナジー
    • 《オアシュラの耕作者/Oashra Cultivator》 + 《好戦的な巨口/Defiant Greatmaw》
    • 《鱗ビヒモス/Scaled Behemoth》 + 各種カルトーシュ
    • 《水流織り/Weaver of Currents》 + 《鱗ビヒモス/Scaled Behemoth》
    • 《好戦的な巨口/Defiant Greatmaw》 + 《採石場の運び屋/Quarry Hauler》
    • 《周到の神ケフネト/Kefnet the Mindful》 + 《隠れた茂み/Sheltered Thicket》 (サイクリングする)
    • 《苦しめる声/Tormenting Voice》 + 不朽クリーチャー
    • 《修練者の相棒/Initiate’s Companion》 + 《活力のカルトーシュ/Cartouche of Strength》 (一種のマナ加速)
    • 試練なんでも + カルトーシュなんでも

上記の通り、これらの単体のカードやカードの相互作用は極めて強力だ。 アモンケットのキーになるメカニズムはサイクリングである。このツールを最大限に活用すべきでない理由は、私にはわからない。

2ターン目《修練者の相棒/Initiate’s Companion》+3ターン目《活力のカルトーシュ/Cartouche of Strength》で勝てたゲームもある。 3ターン目《水流織り/Weaver of Currents》+4ターン目《鱗ビヒモス/Scaled Behemoth》で勝てたゲームもある。 《オアシュラの耕作者/Oashra Cultivator》と《好戦的な巨口/Defiant Greatmaw》を組み合わせて3ターン目に4/5クリーチャーを出したりもした。

これらのシナジーの存在により、サイクリングとカードの選択はより重要なものとなる。 これはブースタードラフトではなくシールド戦なのだ。 より強力なことを行うために、いくらかの時間と息継ぎをする空間が残されているのだ。

《知識のカルトーシュ/Cartouche of Knowledge》もサイクリングカードとして数えられる。 私は《苦しめる声/Tormenting Voice》のタッチにまで手を染めることにした。 これはひどいプレイに聞こえるかもしれないが、まさに自分自身がやりたかったことだ。 自分のデッキにボムはあまり入っていないので、私はとにかく手札を濾過したかったのだ。 たしかに唱えるためのマナが揃わないことがあったのも認めよう。 しかしもし唱えることができれば、このカードは確実に私を後押ししてくれた。 土地カード1枚を捨てて強力なカードを掘り出してくれたのだ。 もし必要であれば、また《苦しめる声/Tormenting Voice》をタッチするだろう。 実際に役に立つってところをぜひ確かめてほしい。

Tip その4 : 脅威の塊であるかのように、影響力あるカードをプレイせよ

これはほとんどのシールド環境に適用できるルールだ。 私がプレイしたいカードは、いつ引いても影響力のあるカードだということだ。

1つの良い例は《選定の司祭/Anointer Priest》だ。 私の知人のひとりは、ボロスアグロを組むため7枚の2マナクリーチャーを採用していて、そのうち2枚が《選定の司祭/Anointer Priest》だった。 しかし実際のところ、《選定の司祭/Anointer Priest》は2ターン目に引いても10ターン目に引いても、何の影響力もなかった。

《苦刃の戦士/Bitterblade Warrior》・《アン一門の壊し屋/Ahn-Crop Crasher》・《突風歩き/Gust Walker》のような督励持ちクリーチャーはどこにでもいて、そいつらは《選定の司祭/Anointer Priest》を無視する。 仮に不朽できたとしても、ライフ回復能力はその肉体と同様にささやかなものだ。 このカードにはまるで影響力がなく、ほとんどの場合、対戦相手はそれをただ無視できる。

影響力がいつだってあるカードを私は使いたい。 インパクトをいつでも持っているカードを私は使いたい。 ありきたりなカードを使うのは好きではない。色をタッチすると決めている場合は特にそうだ。 2枚の《燃えさし角のミノタウルス/Emberhorn Minotaur》(環境で最強の4マナコモンクリーチャー)をデッキに入れることは、デッキの色を2色に限定して《古代ガニ/Ancient Crab》・《刻み角/Manglehorn》・《飛びかかるチーター/Pouncing Cheetah》・《ヘクマの歩哨/Hekma Sentinels》のような埋め合わせのカードを使うよりもずっと良い。 これらの埋め合わせカードは影響力がそれほどなく、しばしば無視されてしまうことになる、 つまり、あなたの対戦相手はもっと影響力のあるカードのために除去を温存できるということだ。

私のデッキはタダの束に見えるかもしれないが、実際には脅威の塊だ。

マナ補正のためだけに入っている《オアシュラの耕作者/Oashra Cultivator》を除いて、あなたは私のどのカードも無視できないだろう。 《修練者の相棒/Initiate’s Companion》はパワーが3あり、警戒かマナ加速を行うことができる。これは10ターン目に引いてもゴミにはならない。 実際、私のデッキには10ターン目に引いてゴミになるカードは1枚も入っていない。 《水流織り/Weaver of Currents》は3ターン目に引いても6ターン目に引いても非常に強力だ。 なぜなら、《エイヴンの修練者/Aven Initiate》と《象形の守り手/Glyph Keeper》がマナを要求するからである。

とまあこのように、脅威の塊を作るように私はデッキを作り上げた。 影響力のあるカードをプレイすれば、対戦相手はその全てに対処しなくてはいけなくなる。 いくつかを無視できる状況にくらべ、そこにはボトルネックが生じやすくなるだろう。

これは私がシールド戦でアグロデッキを好まない理由でもある。 マナ・カーブに沿っているから、という理由で入れたバニラの《灰色熊/Grizzly Bears》は、終盤でドローした時には本当に酷い。

まとめ

さて、私のシールド・プールには良いカードがいくらかあったが、総じてそれほど素晴らしいものではなかった。 あなたは、自分のカード・プールがどのように機能するかを理解する必要がある。そしてそれは限られた時間で行うには簡単ではない。 また、サイドボードプランを練ることも必要だし、デッキを交換したい場合に備えて2つ目・3つ目のデッキを作り、スリーブに入れておくことも大事だ。 時折、特定のマッチアップへのサポートのため、4色までデッキの色を増やすこともしなければいけないこともあるだろう。 あなたができることのリストはどんどん増えていく。

誰もが独自の流儀を持ち、独自のプレイスタイルを持っている。しかしそれらのイデオロギーは地雷だ。 私はそれらのイデオロギーが全員に有効であることを保証できない。 なぜならそれらのデッキは調整し、操ることが簡単でないからである。

シールド・デッキは生涯に渡って行う学習経験である。私はここで挙げたTipsがいつかあなたを助けることを望んでいる。 読んでくれてありがとう。 そして、プロツアー破滅の刻に出場する、我が兄弟Ipank Aziz Riphatの幸運を祈る!